「柳腰」は、疲れない美しさ
2026/08/10
浮世絵や美人画に描かれた女性の姿を見ていると、すっと伸びた背中と、なだらかに続く腰のラインに目を奪われることがあります。
昔から「柳腰」という言葉がありますが、私はこれを単に「細くくびれた腰」という意味では捉えていません。
私が惹かれるのは、無理に身体を作るのではなく、身体をしなやかに使うことで生まれる美しさです。
美しい姿勢は、頑張って作るものではない
以前の私は、姿勢を良くしようと思うと、
「背筋を伸ばさなくては」「胸を張って」と、身体に力を入れていました。
けれど、それではすぐに疲れてしまいます。
所作を学び、自分自身の身体の使い方を見直していく中で、少しずつ分かってきたことがあります。
それは、「美しい姿勢と、身体が楽な姿勢は両立する」ということ。
骨盤を立て、身体の中心を感じながら立つ。
無理に反ったり、胸を張ったりするのではなく、必要以上の力を抜いていく。
すると、自然と上半身の力が抜け、姿勢が整っていきます。
「姿勢を良くしよう」と頑張らなくても、美しく見える。
私は、この感覚こそが「柳腰」の美しさにつながるのではないかと思っています。
着物は、身体の使い方を教えてくれる
着物は、洋服のように身体のラインに合わせて作られている服ではありません。
直線的な布を身体に沿わせ、帯を締めることで、美しい曲線が生まれます。
だからこそ、身体の軸が整うと、着物そのものの美しさが引き立ちます。
立つ、歩く、座る。
日常の動作をしなやかに行うことで、着崩れしにくい美しい着姿にもつながっていきます。
私自身、長年着付けをしてきた中で、姿勢の大切さを強く感じてきました。
どれだけ着付けで美しく整えても、身体の使い方が変わらなければ、その美しさは一時的なものになってしまいます。
だからこそ私は、「着物を美しく着るための身体」ではなく、「身体を美しく使うことで、着物も美しくなる」という考え方を大切にしています。
頑張りすぎている女性へ
現代の私たちは、毎日たくさんのことに追われています。
「早くしなくては」「次はこれをしなくては」
と、気づけば身体も心も前のめりになっていることはありませんか?
そんなときこそ、一度自分の身体の中心に戻ってくる。
骨盤を立て、身体の軸を感じ、余計な力を抜く。
それだけでも、身体の感覚は少しずつ変わっていきます。
頑張ることで美しくなるのではなく、力を抜くことで、本来の美しさが現れる。―――それが、私が考える「柳腰」です。
体型を変えることを目的とするのではなく、身体の使い方から育てる、しなやかな美しさ。
着物・所作・和傘を通して、そして日本の美意識である「柳腰」を通して、私はこれからも、女性が自分自身の美しさに気づくための身体の使い方をお伝えしていきます。
美しい所作は、心を整え、人生を美しくする。
KIMONO WELLNESSは、身体を整えることから、心と美しさ、そしてその人らしい人生まで整えていくことを目指しています。